聞くとデザイン
私見ですが、いわゆる「デザイン」の前には以下のような工程が存在します。
デザインの背骨を通すキーワードを洗い出す
1
伝えたい情報の中で、視覚をどの部分に使うのが効果的かを見分ける
2
美的な観点はもちろん、予算や時間なども踏まえた中で最適解をみつける
3
いわゆるアートディレクション・ディレクションと呼ばれるものだと思います。
私個人はデザイナーとアートディレクターを1つのシームレスなものとしてとらえていますが、
アートディレクションは何かと問われたら、
制作前の交通整理がアートディレクションじゃないかなぁと考えます。
ここを軽視すると労力の割に空振りにおわったり、
ひとりよがりなデザインになりやすいのではないかと考えます。
(偉そうに言いますが自分もまだ未熟者で道半ばです。)
特にステップ①がひとりよがりだと、提案された側から見ると、
見た目はいいけど、言葉にできないモヤっとする仕上がりなデザインに
なっちゃうのかなぁ・・・と。
この問題を回避するには、色眼鏡をかけず人をよく見て、よく聞くことです。
相手の言葉からキーワードを掬い上げる「聞く力」が大事になると考えます。
聞くことは、対等な人間関係を結べる人格・技量をとても問われる行為だと個人的には考えております。
口先ではそうありたいと思っていても、無意識にあらわれるそれと対峙するのはとても難しく、
できているかと問われると胸を張れませんが、
自分の聞くを振り返るため、時々この本を読みかえしています。
人は聞くより話す方が気持ちが良いものです。
聞き上手な方に甘えて、自分が話しすぎないよう自制すること、
緊張や恥ずかしさで、人の話を聞くことより自意識にエネルギーが向かないよう
心を磨くことが、私にとってステップ①の課題です。
屋号のクリアデザインも、
色眼鏡を持たず曇りのない心でデザインに取り組んでいこうという
決意表明でもあります。