心の買物難民化

操作できる人しかいない前提?

先日、母に会ったとき、母がポツリとこぼした
「最近、セルフレジが多くて、電池1つほしいと思っても、
セルフレジかと思うと買物を躊躇ってしまう」

1人で暮らす母は身の回りのことは自分でできるが、
白内障の手術後は、本や新聞などの細かい字はほぼ読めない。
もともと機械に疎いこともあるが、タッチパネルの文字を読むのが困難に感じるようだ。
(後ろの人を待たせてしまう気後れと罪悪感もセットで)


40代の自分でも、行き慣れない店のセルフレジは、「????」となって
会計に手間取ることも多いので、母の言わんとすることはわかる。

田舎ではあるが、自転車で行ける範囲にお店はあっても、
セルフレジにより心の買物難民化しているようだ。

ネットで購入したい時は、私が代わりに注文して母宅に配送するよう手配しているが
そういう現実的な問題だけでなく、若い頃から当たり前にできていた「買い物」という行為が
「できない・難しく感じる」という事実に老いというか、
社会からおいていかれたような寂しさも感じているようである。

「世の中には、年寄りも体の不自由な人も、機械が苦手な人もいるのに、
まるで、若くて健康で機械の操作ができる人しかいないと思われているようだ・・・」


人手不足だから、仕方がないと頭では理解はしつつも、感情が追いついていない様子。
自分の行きたいとき、自分で自分のほしいものを買うことができる、というのは
「単に欲しいものを手にいれる」以上の何かがあるような気がした。

なんと言っていいのかわからず、ただ聞くだけしかできなかったが
その後、自分も同じ思いをすることになるとはこのとき思いもしなかった。

クレジットカード秋の再設定祭り

それから数日後、その母に頼まれ、ネットで購入したものが数ヶ月の入荷待ちを経て
発送されたと連絡があった。
ところが、注文時から半年以上時間を要したことで、
購入予約時と発送時で価格差が生じていたことに気づいていなかった。

納品数日後、たまたまクレジットの明細を確認したら、
全く身に覚えのない金額の引き落としを目にする。
「ま、まさか不正使用された!?」とパニックになり
慌ててクレジットカードを停止してしまった。

停止後、冷静になって再度、amazonサイトを隅々まで確認したら、
上記の差額が出ていたことに気づくものの後の祭り。

「クレジットカード秋の再設定祭り」を自ら開催してしまった・・・


自動引き落としトラップ

再設定祭りの前夜祭は、自動引き落としサービスの洗い出し。
何年も自動契約のものは、もはや存在が空気と化してしまい
自動引き落としているのかさえ、なかなか思い出せない。

こういうときのために、エンディングノートをつくっておくといいんだよなぁ・・・

友人でライアー講師でエンディングノート講師もやってるみわちゃんが
「やっちゃん、それだよ、面倒だからつくっておくんだよ〜。」と優しく諭す顔が目に浮かぶ。

ごもっとも・・・でもそれがめんどくさいんだもん・・・

心の中で友人に言い訳しつつ洗い出し。
カードが届いたらいよいよ祭りは本番。
各種サービスの支払い情報の更新ページを探して更新の儀
がはじまる

ここでまたトラップ。
こういうページって最初に設定以降、見ることがあまりないですよね。
というわけで、以下の公式が成り立ちます。

先送りのツケ払い方程式

支払い情報更新ページを探す×サービス数=メンドクセー💢ってなる時間


すぐわかるサイトもあれば、一段奥の階層にあるもののあって
当たり前だが各社で仕様が一律でない
この骨折れ感、あまりいかない店のセルフレジと似てる。

アカウント情報リストをつくっておけば・・・と自分を責めつつ
まぁ大丈夫っしょって先送りしてしまう私・・・
しかし、40代も半ばになるとまさかはそう遠くない未来で、
もし突然亡くなることがあったら家族に猛烈に迷惑をかけるな・・・と
背筋が寒くなり、とりあえず、以下の結論に至る。

教訓(後ろ向き)

自動引き落としはしないでいいものは極力、都度契約に変える。
空気化すると、いざというとき思い出せない。
保険関係など使うとき自分がやれない可能性のあるものはペーパーレスもできるだけしない。


電子化が進んで一番トクするのは誰?

うっかりカード停止事件から、数日後、喫茶店にはいったら
「アプリクーポンで100円引です」と案内され
軽い気持ちでダウンロードした。

そこで、目にしたのは「アカウント作成」画面

おトクだし、アカウント作るだけならいいか、と思ったけど
しばし立ち止まって、一旦ダウンロードしたアプリを削除した。

紙のポイントカードなら作っただろう。
でも、電子のものは
もしものとき残された人がそのアカウントに何が紐づけられてるか
調べるまでわからないから、安易につくりにくくなった。
母が言っていた、前は気軽できたことが難しくなる感覚。
同じではないけど、通じるものがある気がした。

それにもし、管理シートをつくるなら、把握する量は少ない方が楽。
そうすると、本当によく使うところ以外、ちょっと試しに・・・がしにくく
なんだか新しいことを開拓する意欲も削がれていく・・・

そうなるほど、有利になるのは、どこなんだろうね。